富士通のSEはどこへ行くのか

富士通の3万人SE職務転換大作戦は成功するのか?

富士通、余剰SE変身作戦

富士通がグループで抱える約3万人のシステムエンジニア(SE)の大がかりな職務転換に乗り出した。一つのシステムを複数の企業などが利用するクラウドサービスがこのまま普及すれば、顧客の要望を聞いて個別システムを作り込むSEは仕事がなくなり、余剰人員問題が顕在化するからだ。野副州旦元社長の急進的な改革路線を修正した富士通はSE余剰問題で軟着陸を目指すが、クラウドの奔流にのみ込まれる危うさもはらむ。

富士通、余剰SE変身作戦

 

新卒で入った会社が富士通Gのパートナー企業であったことから、一緒に仕事をする機会が多かった。富士通が一次受けで富士通のグループ会社が二次、うちが三次なんてのもあって、業界ではありがちなことだったと思う。富士通と仕事をすると思うことは多々あるんだけれど、どんな不合理を述べ立てたところで仕事を取ってこれる事・生み出す事がシステム開発業界の正義だと定義すれば誰が何と言おうと彼らはスーパースターだ。創造主だ。世の中をより良くは出来なかったかもしれないが、地球を覆い尽くす勢いで紙の設計書の束と富士通製PCがずらっと並ぶ豚小屋を生産し続けた。あの虚無感と言ったらなかった。まあそれはどうでもいい。


今回の職務転換作戦とやらだが、富士通GはこれまでにもCD-ROM生産工場で盤面チェックなどしていた工員にJavaを学ばせ、3カ月くらいの教育でシステム開発技術者にクラスチェンジさせるなんて荒業をしているので、それに比べたら大した「変身」ではないと思う。何しろ、40代で生産ライン管理をしていた人間にいきなりシステム開発をやらせたのだ。当時2年目だった自分は富士通Gからチームリーダーとして来た彼の話を聞いて、そいうこともあるのかとのんびり見ていたが今思うとすごいことだ。


今回の職務転換でSEに何をやらせる気なのか、に興味が湧く。元記事を書いたひとは個別システム担当のSEにクラウドを担当させるのだろうがスピード感が違うので無理、みたいなことを書いているが個別システムからクラウドは全然職務転換じゃないし、サービス形態やプラットフォームが変わろうが「金融」とか「公共」などの業種で分けられた部署が継続してお得意様を担当するので、顧客とがっちりしている部署はそのまま残る。クラウド化による減収はお得意の虚業で仕事を作り出し、それでもその中で工数的に余る人員、主に保守・仕様変更で稼いでいた人員が今回のターゲットだと思う。