「孤独」より「共同作業」が好ましいという思い込み

創造性を上げるには「孤独」になれ

他の人に邪魔される環境で働く人は、孤独に働く人々と比べて仕事で5割ほど間違いを犯しやすくなり、仕事を終えるのに2倍かかるという。

●ところがそれ以後の数十年間の研究調査で判明してきたのは、個人はグループで働くよりも単独で働いた時のほうがほぼ常に量・質の両面でパフォーマンスが良い、ということだ。

自分ひとりで仕事ができる人は、共同作業というのは足枷にしかならない。腕はあるが協調性のない狂気的なエンジニアが前職の職場にいたが、彼が最も仕事に集中できるのは周りがみんな帰って一人になってからだ、と言っていたのを思い出す。団体行動でパフォーマンスを発揮するのは、「人を使うのがうまい」「コミュニケーション力が高い」「リーダーシップがある」など、他人を活かすことで自分の評価に見せているタイプだ。みんな、ひとそれぞれ主戦場が違う。

共同作業を好むひとは、孤独な作業を好むタイプを調教してコントロールしなければいけない面倒な存在であり、社会は自分たちの意見によって回っていると信じている。

孤独な作業を好むひとは、共同作業を押しつけるひとを厄介者にすぎないと思っていて、世の中は創造者によって提供される優れたもののおかげで辛うじて生きるに値するものになっていると感じている。