【映画】ミスター・ノーバディ

繰り返しの鑑賞に耐えうる映画は少ないが、「ミスター・ノーバディ」は間違いなくその中に入る。

「ではどれか1つを選べということか?私の生きたどの人生もが真実だ。どの道も正しい道だった。『人生には他のどんなことも起こり得ただろう。それらには同等の意味があったはずだ』テネシー・ウィリアムズだ。年を取れば分かる。」

アンナ、エリース、ジーン3人の誰と結ばれるかによって大きく人生が変わるニモ。アンナ以外は大体バッドエンドになるのが可哀想。エリースはまだしも、ジーンが特に大した理由もなく不幸になるという不遇っぷり。ぶっちぎりに幸せなのがアンナルートで、15歳のアンナが可愛すぎる、突然兄弟になって同棲とかなにそれ。

展開されるパラレルワールドに、当然どれが本当の彼の人生だったのか?という疑問が湧くのだが、彼は生まれるときに天使に記憶を消されなかったため両親が別れるときに未来が見えており、選択することができずに実はどのルートにも行っていなかった、としたらどうだろう。母を選んだ、アンナと結ばれる訪れなかったルートを夢想して眠りにつく、誰にもならなかったニモ。